再生医療という言葉を聞いたことがありますか?
人間の自己回復力を使って様々な機関を再生するという医療のことですが、今回はこれを活用して身長を伸ばすことが出来ないか?という内容です。なかなか興味深いお話です。
再生医療とは?
まずはそもそも再生医療とは
生まれつき、あるいは疾病・不慮の事故・加齢に伴い、欠損・損傷・機能低下した組織や臓器を、患者の体外で培養した細胞や組織を用いて修復再生し、機能を補完する医療です。
というものです。
再生医療とは基本的には病気や事故でカラダの一部が傷ついたり、欠損した場合に使われる医療のことですが、要は細胞を培養して再生するというものです。
これが実は低身長症の治療に役立つと言われていて、2011年7月26日に名古屋大付属病院では患者自身の細胞を培養して骨を伸ばす 「再生医療」技術が、厚生労働省の「高度医療評価会議」で高度医療として承認されたと発表しています。
高度医療とは、現在は先進医療という名前に変わっているもので、大学病院など厚生労働大臣が定める施設基準に適合する医療機関で実施される先端技術を用いた医療のうち、厚生労働大臣の承認を受けたもののことを指しています。
先進医療は保険が効かないので、患者が支払う治療費は高額になります。
先進医療と聞くとがんに対するものを思い浮かべますが、もちろんがんに限らずさまざまな病気やけがなんかに対してもあるわけです。
身長が伸びる仕組み
身長が伸びる仕組みは、骨の骨端線と呼ばれる軟骨細胞が増殖して骨が伸びることとなりますが、この骨端線は思春期までしか開いていません。
骨端線の詳しい内容はこちらの記事を御覧ください
これは知っておかないと。身長を伸ばすカギを握る骨端線(こったんせん)とは?
よって、人間の「身長が伸びる期間」というものは決まっているわけですが、思春期が終わるまでに骨端線を伸ばすことが身長が伸びることになるわけです。
再生医療をここに活用できないか、ということです。
再生医療で身長を伸ばす方法
再生医療で具体的にどのように身長を伸ばすのでしょうか。
厚生労働省の先進医療のページを見てみると
骨系統疾患(低身長又は下肢長不等である者に係るものに限る。)
骨延長術時に骨髄液を採取し、間葉系幹細胞を含む細胞を自己血清含有の骨芽細胞誘導培地にて3週間培養し骨芽細胞へ分化誘導する。多血小板血漿は移植前日に自己静脈血より遠心分離法により精製する。培養細胞の安全性を確認後、培養細胞と多血小板血漿を混合してトロンビン、カルシウムとともに骨延長部位に注射により移植して、早期に骨形成を促す治療法である。
厚生労働省:先進医療の各技術の概要
とあります。
骨髄液を取って培養し骨芽細胞へトロンビン、カルシウムと共に注入する治療法となるようです。
これだけだとなんだかよく分からないですが、「骨延長部位」とありますので、やはり骨端線のところですね。
骨延長というと、大変な手術でもするのか?と思いましたが、そのようなものではなくこの内容だけから見ると、注射だけで良いというものなので、そうだとするとこれは画期的です。
や
- 大人
に効果があるのかはわからないのですが、この治療が低身長症だけでなく「下肢長不等」も対象になっていることから、骨端線の開け閉めはあまり関係がないのかもしれません。(だとするとすごい!)
でも、あくまでも「骨延長術」という治療の期間を短くするというものなので、ちょっと背が低いとか、あと数センチ背が高くなったら、なんていう場合に受けられる手のものではないですね。
ちなみにこの治療が受けられるのは現時点では国立大学法人名古屋大学医学部附属病院だけのようです。
病院のパンフレットの44ページ目にあります。
まとめ
再生医療で背を伸ばすというのは、低身長や脚長差のある疾患の治療法である「骨延長術」の治療期間を短くして骨形成を早めるための骨再生療法。
なので、普通の人がちょっと背を伸ばしたいからという理由で受けられるものではありません。
まぁ、うちののびたは低身長なので受けられる可能性はありますが、受けられるとしても一体いくらかかるんだ?という話だとは思いますが。
低身長かどうかはSD値で大雑把に判断して、その後成長ホルモンの分泌試験検査が必要です。
現実的にすぐに再生医療で背が伸ばせる!ということではありませんが、やはり骨端線にある骨芽細胞を成長させることが身長を伸ばすことになることの再確認が出来ました。
思春期が終わるまでの間にアルギニンなどで成長ホルモンの分泌を促して骨を伸ばすのが基本ですが、骨端線が閉じてからでも可能性は0でありません。
以下の記事も参考にしていただければと思います。
いつの日か、この再生医療が手軽に受けられるようになると良いですが、それまでは成長サプリなどを使って身長を伸ばすことになりそうです。
骨端線の成長に効果的なおすすめの成長サプリはこちらのページでご紹介していますので、参考にしてみてくださいね。
保存
コメント