メタボとはメタボリックシンドロームのことですが、メタボというと中年のおっさんを思い浮かべる方がほとんどかと。
厳密には腹部肥満(腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上)と、血圧・空腹時血糖・脂質の基準のうちいずれか2項目が基準値以上になると、メタボリックシンドロームと診断されるものです。
そのため、中年のおじさん、おばさんが診断されることが多いものです。
私も今年の健康診断ではなんとかクリアできましたが、ここ2、3年は毎回腹囲でひっかかっていました。
あなたは大丈夫ですか?
という中年のおっさん、おばはんの話はおいといて、子供メタボのお話です。
メタボ=中年
というイメージが強いですが、最近は小児肥満が問題視されていて、いわゆる生活習慣病と言われるような、大人がかかるような病気にかかる子供も増えてきているそうです。
そう言われるとお兄ちゃんの友達にも太めの子供が多いような気がしてきました。
まぁ、モリモリ食べているということなので、それはそれでよいのでは?とか思いますが、メタボだと身長が伸びないのはいったいどうしてなんでしょう?
子供がメタボになる理由
身長が伸びるのは骨が伸びることですが、骨を伸ばすためには多くの栄養が必要です。
とくにタンパク質(プロテイン)が必要です。
タンパク質は骨だけでなく、体のさまざまな器官を成長させるために必要不可欠な栄養素です。
タンパク質の重要性はこちらの記事をご覧ください。
このタンパク質を多く摂れればよいのですが、肥満の子供の場合はタンパク質よりも脂質や炭水化物を多く摂っていることが多いので、必要な栄養ではなく、余計な栄養を摂っている状態なんですね。
スナック菓子なんかを多く食べていたり、あまり外で遊ばずに家にこもってゲームばかりやっていて運動不足、なんていうことも子供メタボの原因のひとつです。
また、朝食を抜いたり、夕食を食べる時間や寝る時間が遅いことも子供メタボの原因と言われています。
規則正しい生活が子供メタボを防止することにつながりますので、とくに小さい頃はしっかりと子供の生活習慣を管理してあげてください。
共働きで両親の帰りが遅い場合なんかは注意が必要です。
子供はさみしい思いをしているかもしれませんが、その分自立も早いと思いますので、規則正しい生活習慣が大切なことを伝えてあげれば、きっと理解してくれると思います。
子供は親が思っている以上にしっかりしているもの。一度お話をしてみてはいかがでしょうか。
子供メタボだと身長が伸びない理由とは?
子供メタボの原因はわかりましたが、子供メタボだとどうして身長が伸びないのでしょうか。
少食の子供の身長が伸びないのは栄養不足ということでなんとなくわかるのですが、太っている場合は栄養が足りているので身長が伸びないというのは、あまりピンとこないんですよね。
遺伝でしょ、と、遺伝のせいにするのは簡単ですが、子供の身長に与える遺伝の影響は25パーセントくらいと言われているので、それだけで簡単に済まされるものではありません。
子供メタボだと身長が伸びなく理由とは、大きく2つの理由が考えられます。
- 成長ホルモンの分泌が悪くなる
- 思春期が早く訪れる
それぞれを掘り下げてみます。
成長ホルモンの分泌が悪くなる
子供の身長が伸びるのは、骨の端にある骨端線の骨芽細胞が増殖して骨が伸びるからです。この骨端線を刺激するのが成長ホルモン。
骨端線の詳細はこちらをご覧ください。
これは知っておかないと。身長を伸ばすカギを握る骨端線(こったんせん)とは?
この成長ホルモンは一日中分泌されるのですが、とくに眠っている間に一番成長ホルモンが分泌されるのです。
そのため、良質な睡眠をとることで成長ホルモンが分泌される量も増え、骨がぐんぐん伸びていくのです。
ところが子供メタボだと、成長ホルモンが出にくくなってしまうのです。
その結果、思うように身長が伸びなくなってしまうんです。
思春期の発来が早まる
子供の身長は思春期までに年間約5センチくらい伸び続け、思春期になる爆発的に伸びます。
思春期は成長期と呼ばれる時期で、この間は誰でも通常20センチから多いと30センチくらい伸びます。
そして、思春期の終わりとともに身長の伸びは止まります。
これは、骨端線が閉じるからです。
したがって、思春期が来るのが遅ければ遅いほど、通常の伸びの期間(年間5センチ位)が長くなるので、最終身長も高くなる計算となります。
ところが子供メタボになることで、思春期の発来が早まることが確認されています。
これは、はっきりとした原因は分かっていませんが、皮下脂肪にある酵素が骨の成熟を促す女性ホルモンの分泌を促進してしまい、早いうちに骨端線を閉じてしまうからと考えられています。
身長を伸ばす上で重要なのが「思春期が発来するまででどこまで身長を伸ばせておけるか?」ということですから、思春期の発来が早ければ早いほどが身長を伸ばすためには不利になるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
子供メタボは夜更かし、朝食抜き、運動不足などからなる可能性があるものです。
子供の生活習慣は親がコントロールしてあげるしかありません。言い換えれば、小さい頃は親が子供の生活習慣をコントロールすることができるわけです。
夜遅くまで起きていても何も言わない、なんでもかんでも食べさせる、ということでは、身長の伸びは期待できません。
しっかりと締めるところは締めて、伸ばすところは伸ばすというメリハリが、結果的に子供の身長を伸ばすことにつながるということです。
子育てに正解、不正解はありませんが、「甘やかすこと」が「子供のため」ではないことを私たち親としては強く認識しておくべきですね。
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