乳幼児期、特に4歳頃までの身長がその後の身長(最終身長)に大きな栄養を与えることはこちらの記事でご紹介しました。
でも、4歳までに小さくても、その後グングン伸びて大きくなる子もいます。そのような子供はどうして大きくなるのでしょう?
今回はそのあたりを探ってみようと思います。
4歳までは小さくても背が高くなる子がいる理由
4歳までは小さくてもその後大きくなる例外的な子供の特徴としては、思春期開始のタイミングが影響していることが分かっています。
小さいときに成長を促すものは主に成長ホルモンですが、思春期が発来すると性腺ホルモンの分泌が活発になります。
この性腺ホルモンも身長の伸びには欠かせないもので、成長ホルモンとともに骨の成長に作用して、この思春期の爆発的な身長の伸びを促します。
要するに思春期の急激な身長の伸びの正体は、成長ホルモン+性腺ホルモンの相乗効果によるものと言えるわけです。
この急激な身長の伸びの期間は約2年間ですが、その後だいたい3年位をかけて身長の伸びは止まっていきます。
女性ホルモンが身長の伸びを止めるものの正体
この身長の伸びが止まっていく3年が思春期の後半ということになりますが、この期間には成長ホルモン、性腺ホルモンではなく、女性ホルモンが増えてきます。
女性ホルモンというと、女性のものでは?と思いがちですが、これは男女を問わず女性ホルモンの分泌が活発になるのです。
この女性ホルモンがなかなかやっかいで、骨を成熟させる力があるため、軟骨芽細胞の分裂増殖を止めて、骨端線を閉じてしまう働きがあるのです。
骨端線が閉じてしまうと背が伸びなくなってしまうので、なかなか困りものです。
骨端線についてはこちらの記事をご覧ください。
ホルモンの働きについて軽くまとめると、思春期前半には性腺ホルモンが骨を成長させ、思春期後半になると女性ホルモンが登場してきて骨を成熟させて骨端線を閉じ、身長の伸びを止めてしまうということになります。
これが身長の伸びが止まるからくりです。
なので、思春期が遅いほうが、それまでに背を伸ばすことができる期間が長くなるので、最終身長も大きくなるということが言えるわけです。
思春期が来るまでは年間平均5センチずつくらい背は伸びますので、この期間がどれだけあるか、あったかがものを言うのです。
思春期が来る時期はコントロールできるの?
ここまでの話から、出来る限り思春期が来る時期を遅らせたいと考えたくなります。
ところが子供には思春期が早く訪れるタイプと、思春期が来るのが遅いタイプの子がいます。
早く大人になりたいと願う場合は、思春期が早く来ることは喜ばしいことですが、こと身長に関してはできる限り遅いほうが有利になることはすでに述べたとおりです。
でも、残念ながら思春期の発来時期をコントロールすることは難しいのです。
夜更かしや肥満により思春期の発来が早まると言われてはいますが、思春期の発来時期と言うのは遺伝の影響が大きいと言われています。
こればかりはどうしようもないものです。
ただし、病的に早く思春期が来てしまう場合には、医師に相談することで思春期を抑制する薬が出されることがあるので、平均(男子は11歳半、女子は10歳くらい)よりも大幅に早く思春期が発来しているようでしたら、一度相談してみることをおすすめします。
ちなみに日本人よりも欧米人のほうが背が高いと思いますが、それにはこの思春期が影響していて、欧米人のほうが日本人よりも思春期の発来時期が遅いそうです。
そのために背が高い傾向にあるんですね。
外人の子供のほうが大人っぽく見える気がしますが、思春期の到来時期は遅いなんて意外でした。
まとめ
思春期の発来時期が遅いほうが身長には有利になりますので、ずっと子供っぽい子のほうが最終身長は高くなる可能性が高くなります。
でも、この思春期の発来時期は遺伝の影響が大きいためコントロールは難しい。したがってやはり思春期の到来までにどのくらい伸ばしてあげられるか?これが重要ということ。
思春期前のお子さんであれば今は小さくても栄養や生活習慣の見直しによりまだまだ伸ばすことは可能です。
そのためにはどのような栄養素が必要なのか?などの知識が必要ですので、このブログを活用していただけると幸いです。
参考までにアルギニンを多く含むサプリには身長を大きく伸ばす可能性があります。
興味があればこちらの記事もご覧ください。
成長ホルモンの分泌を促すアルギニン。アルギニンで本当に背が伸びる?
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